高級懐石や肉料理店、中華料理店、そしてイタリアンやフレンチのレストラン。
和食編に続き、それぞれの業態における「最適なワインとグラス」について、株式会社Somm-rize CEOの太田賢一ソムリエに伺いました。

「懐石では、必ずしも料理とワインがピタリと合う必要はない。むしろ“別のストーリー”として楽しむのが一番自然だと思います。」と太田氏。
客単価が2~3万円の高級店では、最低4タイプのグラスを揃えるべきだと語ります。
【必要な4タイプ】
・シャンパーニュ
・白ワイン用(フルーティータイプ)
・赤ワイン用(ピノ・ノワール)
・赤ワイン用(カベルネ・ソーヴィニヨンやボルドー系)
「あわよくば5種類。濃厚なシャルドネにも対応できるグラスを加えれば完璧です。」

肉料理の業態に関して太田氏は、まず「焼けるお肉の香り」こそが最大の魅力だと強調します。
「その香りに負けないのは、樽香や厚みを備えた赤ワイン。だから大きなボウル型グラスでポテンシャルを最大限に引き出す必要があります。」
おすすめワインはカベルネ・ソーヴィニヨン主体のボルドー、ピノ・ノワール、シラー。
「高級ステーキハウスなら五大シャトーが並ぶこともありますから、大ぶりのカベルネ用グラスは欠かせませんね。焼肉業態でも、赤ワインがほぼ一択です。」

「中華は幅が広い。四川と広東ではまったくスタイルが違いますし、紹興酒をどう扱うかでも変わります。」と太田氏。
紹興酒についてはこう語ります。
「30年熟成紹興酒ならピノ・ノワールグラスで少し冷やして。若い紹興酒なら、小ぶりのリキュール型が合う。ワイングラスを使うことで、香りの奥行きが一気に広がります。」
ワインならリースリングやゲヴュルツトラミネール、ピノ・ノワールがおすすめ。
「点心や生姜を効かせた料理にはアルザスの白。ドイツの少し甘めのリースリングが最高ですね。高級中華なら、シャンパーニュや小ぶりの白ワイングラスも準備したいところです。」
中華料理-太田氏オススメのグラス
イタリアンやフレンチについて太田氏は「クラシックワインに対応できる準備が必要」と強調します。
「イタリアならフランチャコルタをはじめ、ピエモンテのネッビオーロやトスカーナのサンジョヴェーゼ。フランスならシャンパーニュ、そしてブルゴーニュとボルドー。これらに合うグラスを揃えるのが鉄則です。」
最低限必要なのは以下の5タイプ
「カジュアルなビストロなら、汎用性の高いリースリンググラスひとつでも成立します。ただしクラシックなレストランでは、やはり品種ごとに最適なグラスを用意するべきです。」 もし一つのグラスで通すのであれば、リースリングタイプのものが良いのではないでしょうか。
イタリアン・フレンチ-太田氏オススメのグラス
懐石、肉料理、中華、洋食――どの業態でも共通して言えるのは「グラスを揃えることは、ワインのポテンシャルを最大限に引き出すための投資」だということ。
「万能な一本を探すよりも、各料理の世界観に寄り添えるグラスを少数精鋭で備える。これがワイン体験を格段に豊かにしてくれるんです。」と太田氏は結びました。
次回は第3回として、アジア料理(ベトナム、タイなど)やカジュアルビストロなどの業態にもフォーカスしていきます。
リーデル・スーパーレジェーロ レストラン マシンメイド
リーデル・ヴェローチェ レストラン
レストラン リーデル・ワインウイングス
ソムリエ レストラン
パフォーマンス レストラン
リーデル・ヴェリタス レストラン
ヴィノム レストラン
レストラン エクストリーム
リーデル レストラン
グレープ@リーデル レストラン
デグスタシオーネ
リーデル・オー レストラン
オヴァチュア レストラン
リーデル・ワインフレンドリー
SL リーデル・ステムレスウイングス
レストラン スワル
リーデル・バー
リーデル・リゾート レストラン
マンハッタン
デカンタ
アクセサリー
ソムリエ ブラック・タイ
ソムリエ
リーデル・スーパーレジェーロ
ファット・ア・マーノ
ファット・ア・マーノ パフォーマンス
リーデル・マックス
レストラン リーデル・イヤサカ
2002年、札幌の名店「モリエール」にてキャリアをスタート。
2005年にオーストラリア・シドニーへ渡り語学を習得した後、2006年よりマンダリンオリエンタル東京「シグネチャー」に勤務。
2008年にはレストラン「タテルヨシノ」でソムリエとして経験を積み、2016年からはレストラン「エスキス」でシェフ・ソムリエを務める。
2023年に独立し、株式会社Somm-rizeを設立、CEOに就任。
ワインとホスピタリティビジネスの総合コンサルタントとして活動する傍ら、老舗メゾンのブランド・アンバサダーを務める。