
A(イザベル・レジェロン氏,以下A):私はナチュラルワインを「生きているもの」と定義します。ナチュラルワインとは、畑から醸造、そしてグラスに至るまで生命を守ることがすべてです。レストランでは「テロワール(その土地の個性)」という概念が非常に重要であり、ワインがどこから来たのかをお客様に伝える物語の一部となっています。
しかし、本当の意味でテロワールの表現を語れるのは、そのワインが、生きた土壌と豊かな生物多様性に支えられて育ったブドウから造られている場合だけです。ブドウの木がその土地にしっかりと結びついていてこそ、本物の「その土地の個性」を語ることができるのです。
ナチュラルワインの大部分、約80%は畑で決まります。残りはセラーでの作業であり、ブドウが持つ微生物のバランスを壊さないように醸造することが求められます。ブドウにはすでに水分、糖分、酵母、ミネラルといった、美しいアルコール飲料を作るために必要なものがすべて備わっています。私たちの役割は、畑で生まれた微生物の世界を守り、自然に自由に表現させることで、本当に「生きた」ワインを造ることなのです。シンプルに言えば、ナチュラルワインとは100%ブドウジュース − 必要に応じてごく少量の亜硫酸塩(酸化防止剤)を加えることもありますが − それだけです。

A:私たちは、コミュニティに参加しフェアでワインを提供したいと考える生産者に対して、厳格な「クオリティ憲章(Charter of Quality)」を設けています。RAW WINEのすべての生産者は、最低でも100%有機農法でブドウを栽培し、醸造においても極力介入を控えた方法でワインを造らなければなりません。生産者には、農法や醸造方法についてのアンケートに回答してもらい、有機認証の証明書やワインの分析データ(特に亜硫酸塩の含有量がEU基準を大幅に下回っていること)を提出してもらいます。
上記の基準をすべて満たした生産者に対してのみ、既存のRAW WINEコミュニティメンバーから推薦を受けるよう求めています。そして、最終的な決定を下す前に、私たち自身でもそのワインを試飲します。
私たちの活動が広がる中で、自然で持続可能な方法で本当に真摯に取り組んでいる職人たちを紹介し続けることが、私にとってとても重要なことなのです。